変性温度[コラーゲンの勘違いしそうな情報(1)]
「コラーゲンの勘違いしそうな情報(1)」という曖昧なタイトルですが、コラーゲンについてインターネットで調べたり商品を探したりされる方々にとって、たぶん間違って伝わると予測できる情報をこれから少しづつ取り上げたいと思います。
ただ、私も100%の裏付けを開示はできないので「…そうな」を付けさせていただきました。
まず今回は「変性温度」です。
コラーゲンの商品や解説の多くのサイトで、この「変性温度」と「体内への吸収」について、微妙に関連付けが間違っていることに気づきました。
代表的な表現が魚由来のコラーゲンは「変性温度が低いので吸収がよい」です。
これが、「コラーゲン」の説明だとよいと思うのですが、「コラーゲンペプチド」や「コラーゲンペプチド配合の製品」の説明だと、私は「本当に・・・?」となるのです。
「変性温度」とは、コラーゲンα鎖の三重螺旋(らせん)構造が解ける温度のことを言います。
しかし、コラーゲンサプリメントやドリンクに使われているコラーゲンペプチドは通常、その三重螺旋構造が既に解けたゼラチンを分解し低分子化したものです。
ゼラチンであれば、三重螺旋構造が解けない部分が完全にゼロではないと推測できますが、極々一部だと考えますし、そのゼラチンをさらに低分子化したコラーゲンペプチドでは変性温度は関係ありません。
ということは、コラーゲンの吸収が変性温度によって変わることをそのままコラーゲンペプチドにあてはめて説明することは、たぶん間違っていそうですよね。
コラーゲン ⇒(変性)⇒ ゼラチン ⇒(低分子化)⇒ コラーゲンペプチド
本当にヤヤコシイ話で申し訳ございませんが、実は本当に多くの消費者が「魚のコラーゲンペプチドは変性温度が低いから吸収がよい」と信じていらっしゃいます。
中には7倍も吸収がいいという大変古く根拠の曖昧なデータが一人歩きしたりしています。
これも極々限られた条件でのたったひとつのデータでしかありませんので、安易に自社商品の特徴として流用することは、当店では絶対に考えられません。
また、自社使用の魚由来コラーゲンペプチドと豚皮由来の比較実験をグラフで表示しているメーカーもあり、平均分子量を一応そろえたとしていますが、分子量分布は掲載していません。
また、コラーゲンの吸収=血中アミノ酸の量とは言い切れず、コラーゲンペプチドのまま吸収される量が20%前後あるという学説もありますね。
当店では、コラーゲンペプチトであれば、魚や豚などの由来原料によってそれほど大きな吸収性の違いはないと考えております。
これからも、もう少し時間をかけ、その他の「間違っていそうな情報」をお知らせしながら、まとめていきたいと思います。