もう3月になりました。
早く暖かくなるといいですね。
今日は少し細かいことをお伝えします。
「コラーゲンから吸収されるペプチド」というタイトルですが、正確には「ゼラチンやコラーゲンペプチドから・・・」です。
コラーゲンは約20種類のアミノ酸で構成されるたんぱく質です。
必須アミノ酸であるトリプトファンを全く含まないので、アミノ酸スコアはゼロです。
そして、他のタンパク質にはほとんど無いヒドロキシプロリンとヒドロキシリジンというアミノ酸があります。
特に、ヒドロキシプロリンは10%以上も含まれており、構成も偏ったたんぱく質です。
体内に最も多いⅠ型コラーゲンでは、3本のコラーゲンペプチド鎖が縄をなうようになって繊維を形成しているのです。
これは、コラーゲンが皮膚や骨の基礎として高い強度が必要だからです。
3本の鎖が解けた状態がゼラチンです。
そして、ゼラチンを酵素分解したものがサプリメントで使われるコラーゲンペプチドです。
ゼラチンもコラーゲンペプチドも食べると消化されてアミノ酸に分解されます。
しかし、人間の消化吸収は試験管の実験のようには行きません。
食事全体の食材構成や体調によって、まさにアナログなのです。
また、コラーゲンには試験管の中でも消化し辛いペプチドもあります。
これらのペプチドがアミノ酸にならないまま腸管から吸収されることはわかってきました。
消化し辛いペプチドというのが、「プロリン-ヒドロキシプロリン」「ヒドロキシプロリンーグリシン」という結びつきです。
ヒドロキシプロリンが人間の消化酵素では切り離しにくいアミノ酸なのです。
この原理は、結合のねじれと分子の大きさの違いだということがわかってきています。
このようなペプチドとして吸収されるのは20%~30%だと言われています。
コラーゲンはタンパク質だからアミノ酸に消化されるから・・・
間違いではありませんが、決して正しくは無いのです。
コラーゲン(ゼラチン・コラーゲンペプチド)を食べると、
その一部は、ペプチドとして吸収され、
他のタンパク質とは違う、アミノ酸が吸収されるのです。
2013/3/1